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医療法人社団 湯川会

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高血圧

高血圧とは

高血圧とは、血圧が慢性的に高い状態が続く病気です。日本では多くの方が高血圧といわれており、決して珍しい病気ではありません。

血圧は、心臓から送り出された血液を全身へ届けるために必要な圧力ですが、高い状態が続くと血管には常に大きな負担がかかります。

血管はゴムホースのように弾力がありますが、長年にわたって強い圧力がかかることで少しずつ硬くなり、傷ついていきます。この状態を動脈硬化といいます。動脈硬化が進行すると、血管が詰まったり破れたりしやすくなり、脳や心臓、腎臓などの重要な臓器にさまざまな障害を引き起こします。

高血圧は初期にはほとんど自覚症状がないため、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれています。症状がないからといって放置せず、健康診断で血圧が高いと指摘された方や、ご家庭で高い状態が続く方は、一度医療機関へご相談ください。

高血圧は、生活習慣の改善や適切な治療によってコントロールできる病気です。早期から治療を行うことで、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を予防することが期待できます。

湯川医院 イラスト

このような方はご相談ください

●健康診断で「血圧が高い」と指摘された

●家庭で測ると血圧が高いことが多い

●血圧が高いと言われたが、自覚症状がない

●頭痛やめまい、動悸が気になることがある

●ご家族に高血圧の方がいる

●塩分の多い食事や飲酒の習慣がある

●肥満や運動不足が気になっている

高血圧の原因

生活習慣や体質などが関係する高血圧

高血圧の多くは、特定の病気が一つあるのではなく、生活習慣や加齢、遺伝的な体質など、複数の要因が重なって起こります。これを「本態性高血圧」といいます。

本態性高血圧の主な要因

●塩分の摂り過ぎ
●肥満
●運動不足
●飲酒
●喫煙
●ストレス
●加齢
●遺伝的な体質

別の病気が原因となる高血圧

睡眠時無呼吸症候群や腎臓の病気、ホルモンの異常などが原因となって血圧が高くなることがあります。これを「二次性高血圧」といいます。二次性高血圧では、血圧を下げる治療だけでなく、原因となっている病気を見つけて治療することが重要です。年齢の割に血圧が非常に高い場合や、複数の薬を使用しても血圧が下がりにくい場合などは、原因となる病気がないか詳しく調べます。

二次性高血圧の主な要因

●睡眠時無呼吸症候群
●腎臓の病気
●腎臓へ血液を送る血管の異常
●原発性アルドステロン症などのホルモン異常
●甲状腺の病気

睡眠時無呼吸症候群と高血圧の関係

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、高血圧の原因となる代表的な病気の一つです。睡眠中に何度も呼吸が止まると、体内の酸素が不足し、そのたびに交感神経が活発になります。その結果、血圧が上昇しやすい状態が続き、高血圧を引き起こしたり、悪化させたりすることがあります。

高血圧のある方の約30~50%に睡眠時無呼吸症候群が合併していると報告されており、特に薬を飲んでも血圧が下がりにくい方では、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることも少なくありません。

いびきが大きい、睡眠中に呼吸が止まると指摘された、日中の強い眠気がある方は、一度検査を受けることをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群

高血圧を放置するとどうなる?

高血圧を放置すると、血管への負担が続くことで動脈硬化が進行し、全身の血管に障害を引き起こします。動脈硬化が進むと、血管が詰まりやすくなったり、破れやすくなったりするため、脳卒中や心筋梗塞など、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まります。

これらの病気は、生活の質(QOL)を大きく低下させるだけでなく、命に関わることもあります。しかし、高血圧は適切な治療によってコントロールできる病気です。生活習慣の改善や必要に応じた薬物療法を行うことで、将来の脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクを減らすことが期待できます。

高血圧によって起こりやすい病気

●脳脳卒中(脳梗塞・脳出血)
●心筋梗塞・狭心症
●心不全
●慢性腎臓病(CKD)
●大動脈瘤・大動脈解離
●高血圧性網膜症などの眼の病気

高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行することが多いため、これらの病気を発症して初めて高血圧に気付くケースも少なくありません。

家庭血圧が重要です

高血圧の診断や治療では、*自宅で測定する「家庭血圧」がとても重要です。

診察室では緊張などによって一時的に血圧が高くなることがあるため、普段の血圧を知るには家庭血圧がより参考になります。そのため、日本高血圧学会でも家庭血圧を重視した診療が推奨されています。

また、高血圧は1回だけ血圧が高かったからといって診断されるわけではありません。複数回の測定結果をもとに総合的に判断します。

血圧測定
高血圧の目安

●家庭血圧…135/85mmHg以上
●診察室血圧… 140/90mmHg以上

家庭血圧は、診察室よりもリラックスした状態で測定できるため、高血圧と判断される基準がやや低く設定されています。

また、診察室では血圧が高いものの家庭では正常な「白衣高血圧」や、診察室では正常でも家庭では高い「仮面高血圧」がみられることがあります。仮面高血圧は、持続して高血圧の方と同程度のリスクがあることが知られているため、家庭血圧を測定することが大切です。

高血圧の検査

高血圧が疑われる場合は、血圧の状態を確認するだけでなく、高血圧の原因となる病気が隠れていないか、また高血圧によって心臓や腎臓などに負担がかかっていないかを確認するために検査を行います。

当院では、症状や既往歴、ご家族の病歴などをお伺いしたうえで、必要に応じて次のような検査を行います。

高血圧の原因を調べる検査

血液検査や尿検査では、糖尿病や脂質異常症、慢性腎臓病(CKD)などの生活習慣病の有無を確認します。

また、年齢の割に血圧が非常に高い方や、薬を飲んでも血圧が下がりにくい方では、睡眠時無呼吸症候群や腎臓の病気、ホルモン異常など、高血圧の原因となる病気が隠れていないかを調べます。

合併症が起きていないかを調べる検査

高血圧は、自覚症状がないまま心臓や血管、腎臓などに負担をかけ続けることがあります。

血液検査や尿検査に加え、心電図検査や胸部X線検査、必要に応じて心臓や頸動脈の超音波検査などを行い、高血圧による合併症が起きていないかを確認します。

高血圧の治療

高血圧の治療は、生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせて行います。

血圧の値だけでなく、年齢や持病の有無、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを総合的に判断し、患者さんお一人おひとりに適した治療をご提案します。

治療開始の目安

高血圧と診断された場合でも、すべての方がすぐに薬による治療を始めるわけではありません。

血圧の値だけでなく、年齢や糖尿病・慢性腎臓病などの持病の有無、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを総合的に判断し、患者さんお一人おひとりに適した治療方針を決定します。

 

一般的な治療開始の目安は次のとおりです。

血圧の目安

治療方針

診察室血圧 140/90mmHg未満
家庭血圧 135/85mmHg未満

生活習慣の改善を行いながら、定期的に血圧を確認します。

診察室血圧 140/90mmHg以上
家庭血圧 135/85mmHg以上

生活習慣の改善に加え、必要に応じて降圧薬による治療を検討します。

※糖尿病や慢性腎臓病、心臓病などの持病がある方や、心血管疾患のリスクが高い方では、より早い段階から薬物療法を開始する場合があります。

生活習慣の改善

生活習慣の改善は、高血圧治療の基本です。血圧を下げるだけでなく、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクを減らすことにもつながります。また、薬による治療を開始した後も、生活習慣の改善を続けることが大切です。患者さんの生活スタイルに合わせて、無理なく続けられる改善方法をご提案します。

生活習慣の改善ポイント

●減塩(1日6g未満を目標)
●バランスの良い食事
●適正体重の維持
●適度な運動
●節酒
●禁煙

薬物療法

生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合や、心血管疾患のリスクが高い場合には、降圧薬による治療を行います。

降圧薬にはさまざまな種類があり、年齢や持病、合併症の有無などを考慮しながら、患者さんに適した薬を選択します。

治療を始めた後は、定期的に血圧や体調を確認しながら、必要に応じて薬の種類や量を調整します。自己判断で薬を中止すると血圧が再び高くなることがあるため、医師の指示に従って継続することが大切です。

健康診断で血圧が高いと言われた方へ

健康診断で「血圧が高い」と指摘されても、自覚症状がないため、そのまま様子を見てしまう方は少なくありません。

しかし、高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞、慢性腎臓病などの重大な病気につながることがあるため、そのまま放置することはおすすめできません。

健康診断で血圧が高いと指摘された場合は、健康診断の結果をご持参のうえ、お早めにご相談ください。必要に応じて家庭血圧の測定や検査を行い、高血圧の有無や原因、合併症の有無を確認し、患者さんお一人おひとりに適した治療をご提案します。

血圧測定

このような方は、お早めにご相談ください。

●健康診断で「血圧が高い」と指摘された
●ご家族に高血圧や脳卒中の方がいる
●頭痛やめまい、動悸などの症状がある
●一度も高血圧について詳しい検査を受けたことがない
●家庭血圧でも高い値が続いている

高血圧 よくある質問

Q

高血圧は薬を飲み始めると、一生飲み続けなければいけませんか?

A

必ずしも一生飲み続けるわけではありません。生活習慣の改善によって血圧が安定した場合は、薬の量を減らしたり、中止を検討したりできることもあります。ただし、自己判断で薬を中止すると血圧が再び高くなることがあるため、必ず医師の指示に従ってください。

Q

高血圧は自覚症状がなくても治療が必要ですか?

A

はい。高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞、慢性腎臓病などの重大な病気を引き起こすことがあります。症状がなくても、適切な治療によって将来のリスクを減らすことが大切です。

Q

家庭血圧はいつ測ればよいですか?

A

朝は起床後1時間以内、排尿後、朝食や服薬前に、夜は就寝前に測定することが推奨されています。毎日できるだけ同じ時間に測定し、診察時に記録を

Q

健康診断で血圧が高いと言われました。すぐに受診した方がよいですか?

A

朝健康診断で血圧が高いと指摘された場合は、そのまま放置せず、一度医療機関を受診することをおすすめします。健康診断の結果をご持参いただければ、必要に応じて家庭血圧の測定や追加の検査を行い、高血圧の有無や治療が必要かどうかを判断します。

Q

白衣高血圧とは何ですか?

A

白衣高血圧とは、医療機関で測定したときだけ血圧が高くなり、自宅では正常な血圧となる状態です。診察時の緊張やストレスが影響すると考えられています。しかし、将来的に高血圧へ移行する可能性もあるため、定期的に家庭血圧を測定し、経過を確認することが大切です。

Q

仮面高血圧とは何ですか?

A

仮面高血圧とは、医療機関では血圧が正常でも、自宅では血圧が高くなる状態です。診察室での血圧だけでは見つけにくいため、家庭血圧を測定することが大切です。

仮面高血圧の方は、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患を発症するリスクが、診察室高血圧の方と同程度であることが分かっています。そのため、診察室での血圧が正常でも、家庭での血圧が高い場合は放置せず、医師にご相談ください。

Q

生活習慣の改善だけで高血圧は改善できますか?

A

高血圧の程度によっては、減塩や適度な運動、体重管理、節酒などの生活習慣の改善だけで血圧が下がることがあります。特に、高血圧の初期段階では、生活習慣の見直しが大きな効果をもたらすこともあります。

一方で、血圧が高い状態が続いている場合や、糖尿病・慢性腎臓病などの持病がある場合は、生活習慣の改善に加えて薬による治療が必要になることもあります。

まずはご自身の血圧の状態を正しく把握し、医師と相談しながら適切な治療を進めることが大切です。

参考文献
  • 日本高血圧学会.高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025).ライフサイエンス出版,2025.

  • 日本呼吸器学会.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020.南江堂,2020.

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執筆・監修
湯川医院 院長 田上 玲奈
  • 日本内科学会 総合内科専門医

  • 日本医師会 認定産業医

  • 認知症サポート医

本ページは、当院の診療方針および医学的知見に基づいて作成し、掲載内容は当院の医師が確認のうえ公開しています。

公開日:2026年10月1日​

最終更新日: 2026年10月1日​

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