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関節リウマチ

関節リウマチとは

関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起こる自己免疫疾患です。関節に痛みや腫れ、こわばりなどが現れ、炎症が続くと軟骨や骨が傷つき、関節の変形や機能低下につながることがあります。

本来、免疫には細菌やウイルスなどから体を守る働きがありますが、関節リウマチでは免疫が自分自身の組織を誤って攻撃し、関節に炎症を引き起こします。また、関節だけでなく、微熱や倦怠感、貧血などの全身症状や、肺などに影響が現れることもあります。

関節リウマチの治療は近年大きく進歩しており、早期に発見して適切な治療を行うことで、関節破壊の進行を抑え、症状がほとんどない「寛解」を目指せるようになっています。

早期の診断と適切な治療が重要な一方、リウマチ・膠原病の専門的な診療を行うクリニックはまだ多くありません。当院では、大学病院でリウマチ・膠原病診療に従事する医師が診療を行っています。気になる症状がある方や、どこに相談すればよいかお悩みの方もご相談ください。

湯川医院 イラスト

リウマチ専門外来のご予約

リウマチ診療をご希望の方は、お電話にてご予約ください。

●火曜 16:00~18:30

慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科 勝村杏奈先生

●金曜 16:00~18:30 

北里大学医学部リウマチ膠原病・感染症内科学 金山芳郎先生

このような方はご相談ください

関節リウマチの初期症状は軽いこともあり、「年齢のせい」「手を使いすぎたから」と思われることもあります。次のような症状が続いている場合は、リウマチ内科にご相談ください。

●朝起きたときに、手や指がこわばって動かしにくい
●手指や手首、足の指などの関節に痛みや腫れがある
●左右の同じような関節に症状がある
●関節が熱を持っている感じがする
●ペットボトルのふたが開けにくくなった
●雑巾をしぼる、物を握るなどの動作がしにくい
●指輪が以前よりきつく感じる
●関節の痛みや腫れが数週間続いている
●微熱や体のだるさが続いている
●健康診断でリウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体の異常を指摘された

関節リウマチは幅広い年代で発症します

関節リウマチは、20代から80代以上まで幅広い年代で発症する病気です。かつては30〜50代の女性に多いとされていましたが、近年は高齢化に伴い60代以降で発症する方も増えています。

一方で、20代や30代など若い世代で発症することもあり、「若いから関節リウマチではない」とは限りません。また、男性と比べて女性に多くみられることも特徴です。

年齢にかかわらず、朝の手指のこわばりや関節の痛み・腫れなど、気になる症状が続いている場合はご相談ください。

関節リウマチの主な症状

関節リウマチでは、関節を包む滑膜に炎症が起こることで、痛みや腫れ、こわばりなどの症状が現れます。

手指や手首に症状が出ることが多いですが、足の指、膝、肘、肩など、さまざまな関節に症状が現れることがあります。

関節リウマチの関節

朝のこわばり

関節リウマチに特徴的な症状の一つです。朝起きたときに、「手が握りにくい」「指が動かしにくい」と感じることがあります。起床後しばらくすると動かしやすくなることが多く、こうしたこわばりが繰り返しみられる場合は、関節リウマチを疑うきっかけになります。

関節の痛み・腫れ

関節に炎症が起こることで、痛みや腫れ、熱っぽさなどが現れます。特に手指や手首、足の指などの小さな関節にみられやすく、複数の関節に症状が現れることもあります。

症状が左右の同じような関節に現れることも、関節リウマチの特徴の一つです。

関節が動かしにくい・力が入りにくい

関節の炎症によって、手を握る、物をつかむ、ボタンを留めるなどの日常的な動作がしにくくなることがあります。炎症が長期間続いて関節の破壊が進むと、関節が変形し、動かせる範囲が狭くなるなど、日常生活に影響することがあります。

微熱・だるさなどの全身症状

関節リウマチは関節だけに症状が現れる病気ではありません。免疫の異常による炎症が続くことで、微熱、全身のだるさ、食欲低下などの症状が現れることもあります。

また、病状によっては肺など関節以外の臓器に症状が現れることもあります。

関節リウマチの原因

関節リウマチがなぜ発症するのか、その原因は現在のところ完全には解明されていません。

特定の一つの原因によって発症するのではなく、遺伝的な要因や環境要因など、複数の要因が複雑に関わることで、免疫の異常が引き起こされると考えられています。

遺伝的な要因

関節リウマチの発症には、いくつかの遺伝的な要因が関係していることが分かっています。そのため、ご家族に関節リウマチの方がいる場合は、発症する可能性がやや高くなるとされています。ただし、親が関節リウマチだからといって、必ず子どもに遺伝する病気ではありません。遺伝的な要因だけで発症が決まるわけではなく、さまざまな要因が関係しています。

環境要因

関節リウマチの発症には、遺伝的な要因だけでなく、喫煙や歯周病、感染症などの環境要因が関係していると考えられています。なかでも喫煙は、関節リウマチの発症や病状に関わる重要な環境要因の一つとして知られています。

関節リウマチは早期発見・早期治療が大切

関節リウマチは、できるだけ早く発見し、適切な治療を開始することが大切な病気です。

以前は、関節リウマチによる関節の破壊はゆっくりと進行すると考えられていました。しかし現在では、発症してから比較的早い時期に関節の破壊が進むことがあると分かっています。

また、関節の痛みや腫れがそれほど強くなくても、関節の内部では炎症が続いていることがあります。そのため、「症状が軽い=病気も軽い」とは限りません。

一度傷ついた軟骨や骨を元の状態に戻すことは難しいため、関節が大きく傷つく前に炎症を抑えることが重要です。近年は治療薬が大きく進歩しており、早期から適切な治療を行うことで、関節破壊の進行を抑え、症状がほとんどない「寛解」を目指せるようになっています。

朝のこわばりや関節の痛み・腫れなど、気になる症状が続いている場合は、症状が軽いうちからご相談ください。

関節破壊のグラフ

関節リウマチの検査・診断

関節リウマチは、一つの検査だけで診断できる病気ではありません。関節の痛みや腫れなどの症状、診察所見、血液検査、画像検査などの結果を組み合わせて総合的に診断します。

特に初期の関節リウマチでは、血液検査やレントゲン検査だけでははっきりとした異常がみられないこともあります。そのため、関節の状態を丁寧に確認し、必要な検査を組み合わせて評価することが大切です。

診察

手指や手首、足、膝などの関節を診察し、腫れや痛み、熱感、動かしにくさなどを確認します。また、いつから症状があるのか、朝のこわばりがあるか、どの関節に症状があるかなども詳しくお伺いします。

血液検査

血液検査では、関節リウマチの診断や病状の評価に役立つさまざまな項目を調べます。

●リウマトイド因子(RF)・抗CCP抗体

関節リウマチの診断に役立つ検査です。ただし、これらが陽性でも必ず関節リウマチとは限らず、反対に関節リウマチでも陰性となる場合があります。

●CRP・赤沈(ESR)

体内で起きている炎症の程度を調べます。診断だけでなく、病気の活動性や治療効果を確認するためにも用いられます。

●MMP-3

関節の滑膜で炎症が起こると血液中で増加する物質で、関節リウマチの病気の活動性を評価する際に役立ちます。

関節超音波検査(関節エコー)

関節エコーでは、関節の中で起きている滑膜の炎症や血流の状態などを詳しく確認します。

診察だけでは分かりにくい炎症や、レントゲンでは捉えにくい早期の変化を確認できることがあり、関節リウマチの早期診断や病状の評価、治療効果の確認に役立ちます。

また、放射線による被ばくがなく、体への負担が少ないことも特徴です。当院では、関節エコーを活用しながら関節の状態を詳しく評価しています。

超音波検査

レントゲン検査

レントゲン検査では、関節の骨や関節の隙間などを確認します。関節リウマチが進行するとみられる骨びらん(炎症によって骨が傷ついた状態)や関節の変化を確認し、病気の進行度を評価します。

関節リウマチと間違えやすい病気

関節の症状にはさまざまな原因があります。「リウマチかもしれない」「更年期や年齢によるものなのか分からない」といった段階でもご相談ください。関節の痛みや腫れ、こわばりがあるからといって、必ずしも関節リウマチとは限りません。関節リウマチと似た症状が現れる病気はいくつかあり、症状だけでは見分けることが難しい場合もあります。

診察に加え、血液検査や関節エコー、レントゲン検査などを組み合わせ、他の病気の可能性も考えながら診断することが大切です。

変形性関節症

加齢や長年にわたる関節への負担などによって軟骨がすり減り、関節に痛みや変形が生じる病気です。膝や手指などに多くみられます。

腱鞘炎

指や手首を動かす腱と、その周囲を覆う腱鞘に炎症が起こる病気です。指や手首の痛み、腫れ、動かしにくさなどが現れるため、関節リウマチの症状と似ていることがあります。

更年期にみられる関節痛

更年期には、ホルモンバランスの変化に伴って、手指などの関節に痛みやこわばりを感じることがあります。関節リウマチも女性に多くみられるため、症状だけでは判断が難しいことがあります。

痛風

血液中の尿酸が増え、関節に結晶がたまることで急激な炎症が起こる病気です。足の親指の付け根などに、突然強い痛みや腫れが現れることがあります。

乾癬性関節炎

皮膚の病気である乾癬に伴って、関節に炎症が起こる病気です。手足の指や関節の痛み・腫れ、こわばりなどがみられ、関節リウマチとの鑑別が必要になることがあります。

関節リウマチの治療

関節リウマチの治療は、この数十年で大きく進歩しています。以前は痛みや腫れを和らげる治療が中心でしたが、現在では、関節の炎症をしっかりと抑え、関節破壊の進行を防ぐことが治療の大きな目標となっています。

治療では、まず「寛解(かんかい)」と呼ばれる、関節の痛みや腫れなどの症状がほとんどなく、病気の活動性が十分に抑えられた状態を目指します。寛解に至らない場合でも、炎症ができるだけ少ない状態(低疾患活動性)を目標に治療を行います。

関節リウマチの治療の中心は薬物療法です。病状や治療効果を定期的に確認しながら、必要に応じて薬の種類や量を調整していきます。

抗リウマチ薬(DMARDs)

抗リウマチ薬は、免疫の働きを調整して関節の炎症を抑え、病気の進行を抑えるための薬です。単に痛みを和らげるのではなく、関節リウマチそのものの活動性を抑えることを目的として使用します。

代表的な薬剤にメトトレキサート(MTX)などがあり、病状に応じて薬剤を選択します。治療中は血液検査などを行い、効果や副作用を確認しながら治療を続けます。

生物学的製剤

生物学的製剤は、関節リウマチの炎症に関わる特定の物質や免疫細胞の働きを抑える薬です。

抗リウマチ薬による治療だけでは十分に病気をコントロールできない場合などに選択肢となります。

患者さんの病状や治療歴などを確認したうえで適切な薬剤を選択します。免疫の働きを抑えるため、治療を始める前には感染症などについて必要な検査を行い、治療中も定期的に状態を確認します。

JAK阻害薬

JAK阻害薬は、炎症に関わる情報が細胞内に伝わる経路を抑えることで、関節の炎症を抑える内服薬です。生物学的製剤と同様に、従来の抗リウマチ薬で十分な効果が得られない場合などに治療の選択肢となります。患者さんの年齢や病状、合併症、感染症などのリスクを確認したうえで、使用を検討します。

ステロイド・消炎鎮痛薬

ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、関節の炎症や痛みを和らげる目的で使用することがあります。特にNSAIDsは痛みを軽減する薬であり、関節リウマチそのものの進行を抑える薬ではありません。そのため、必要に応じて抗リウマチ薬などと組み合わせて使用します。

ステロイドについても、長期間の使用では副作用に注意が必要なため、病状を確認しながら必要な量・期間で使用します。

生物学的製剤・JAK阻害薬による治療にも対応

関節リウマチは、患者さんによって病気の活動性や薬の効き方が異なります。そのため、一つの薬を続けるのではなく、治療効果を定期的に評価し、十分に炎症を抑えられていない場合には治療を見直すことが重要です。

当院では、従来の抗リウマチ薬による治療に加え、生物学的製剤やJAK阻害薬の導入にも対応しています。

大学病院でリウマチ・膠原病診療に従事する医師が、病状やこれまでの治療歴、合併症、生活背景などを踏まえ、一人ひとりに適した治療をご提案します。

関節リウマチ よくある質問

Q

症状は軽いのですが、今すぐ治療を始めた方が良いのでしょうか?

A

関節リウマチは、症状が軽くても関節の炎症が進行している場合があります。早期に診断し、適切な治療を開始することで、関節の変形や機能障害の進行を抑えることにつながります。

まずは現在の症状や関節の状態を確認し、治療が必要かどうかを判断しますので、気になる症状がある方はお早めにご相談ください。

Q

健康診断でリウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体の異常を指摘されました。関節リウマチでしょうか?

A

リウマトイド因子や抗CCP抗体が陽性だからといって、必ずしも関節リウマチとは限りません。また、これらの検査が陰性でも関節リウマチの場合があります。

診断には、症状や関節の状態、血液検査、画像検査などを総合的に評価する必要があります。健診結果について気になることがありましたら、ご相談ください。

Q

関節リウマチは治りますか?

A

現在のところ、関節リウマチを完全に治すことは難しいとされていますが、治療法の進歩によって、症状や炎症がほとんどみられない「寛解」を目指せるようになっています。

適切な治療を継続し、炎症をしっかりコントロールすることで、関節の機能を保ちながら日常生活を送ることを目指します。

Q

生物学的製剤やJAK阻害薬による治療は受けられますか?

A

はい。当院では、生物学的製剤やJAK阻害薬による治療にも対応しています。

現在の病状やこれまでの治療内容、合併症などを確認したうえで、適応を判断します。現在の治療で十分な効果を感じられていない方もご相談ください。

Q

関節リウマチの薬は一生続けるのでしょうか?

A

治療期間や薬の種類・量は、患者さんの病状によって異なります。治療によって寛解が維持できている場合には、医師の判断のもとで薬を減量できることもあります。

ただし、薬を中止すると再び病気が活発になることもあるため、自己判断で中断せず、病状を確認しながら治療を調整することが大切です。

Q

妊娠・出産を希望していますが、治療を続けられますか?

A

妊娠・出産を希望される方も、治療についてご相談いただけます。

関節リウマチの治療薬には、妊娠前に中止する必要があるものや、妊娠中でも使用を検討できるものがあります。妊娠を希望される場合は、あらかじめご相談いただき、病状を安定させながら治療計画を立てていくことが大切です。

Q

他院で関節リウマチの治療を受けていますが、相談できますか?

A

はい、ご相談いただけます。これまでの治療内容や検査結果を確認したうえで、今後の治療について一緒に考えていきます。

受診の際は、紹介状や検査結果、お薬手帳などをお持ちいただくと診療がスムーズです。

Q

関節リウマチで手術が必要になることはありますか?

A

関節の破壊が進み、痛みや機能障害によって日常生活に大きな支障がある場合には、人工関節置換術などの手術が検討されることがあります。

当院で手術が必要と判断した場合には、適切な医療機関をご紹介します。

参考文献
  • 日本リウマチ学会 編「関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂」診断と治療社、2024年

  • 公益財団法人 日本リウマチ財団「患者さんのための関節リウマチ治療ガイドライン」

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執筆・監修
湯川医院 院長 田上 玲奈
  • 日本内科学会 総合内科専門医

  • 日本医師会 認定産業医

  • 認知症サポート医

本ページは、当院の診療方針および医学的知見に基づいて作成し、掲載内容は当院の医師が確認のうえ公開しています。

公開日:2026年10月1日​

最終更新日: 2026年10月1日​

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